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夏の参院選を前に各党案ぞろぞろ…「5万円給付」と「消費減税」の行方、宮本融教授「あまりムダなことはしないほうがいいのでは」

2025年04月14日(月) 18時22分 更新

参議院選挙に見据え、これから大きな論点になりそうなのが「現金給付」と「消費税率の引き下げ」です。



トランプ 米大統領
「我々は日本に24%の関税を課す」

予測できない「トランプ関税」に。終わりが見えない物価高。



キテネ食品館 中塚誠 社長
「非常に値上げの部分の商品が多くてですね(値札の)張り替え作業も結構大変」

買い物客
「やっぱりちょっと買い控えはありますね」

そんな中、与党幹部から、こんな発言が飛び出しました。



公明党 斉藤鉄夫 代表
「減税を前提とした現金還付が必要である」

国民負担の軽減策として「消費減税の実現」と、そのつなぎ措置として「現金給付」を求める考えを示したのです。

所得制限は設けず、給付は1人あたり「5万円」との案も聞こえてきます。

消費減税を求める「与党幹部」と選挙を控えた「参議院自民党」。

これに対し、自民党の森山幹事長などの「大蔵族」は、消費税の引き下げに否定的な立場です。

自民党 森山裕 幹事長
「消費税を下げる。その分の財源をどこに求めるかという話があって初めて議論ができるのではないか」

一方、野党からは。

日本維新の会 前原誠司 共同代表
「国民が大変なのは食べること・電気代・ガソリン代、こういったことがベースになってくると」

食品にかかる消費税を2027年3月までの2年間、撤廃する案も。

垣間見えるのは、7月の参議院選挙と、政局をにらんだ駆け引きです。



元通産官僚 北海道文教大学 宮本融 教授
「国民の金銭感覚とずれてるという、そういう批判がちょっとでも出たら、政権は失速する。」

「カネを配って、うまくいった政権はない」との声も聞こえる中、これは石破政権の「終わりの始まり」なのでしょうか?

今、与野党双方から、相次ぐ減税や現金給付の必要性に関する発言。

立憲民主党でも、党内2つの勉強会が「食料品の消費税率を一時的にゼロにする案」、「すべての品目で、税率を当面5パーセントに引き下げる案」をまとめました。



総理時代、5パーセントだった消費税率の引き上げを決断した野田代表です。

立憲民主党 野田佳彦 代表
「物価高対策が依然として必要な中、1つの政策の方向性だとは思う。ただ、党内議論を虚心坦懐に見ている状況だ」

また、国民民主党は、30歳未満の所得税を軽減する「若者減税法案」を国会に提出しました。



国民民主党 玉木雄一郎 代表
「少子高齢化が進む中で、若者をしっかりと応援していくということが日本全体の元気につながっていく」

政府は過去にも、景気の浮揚策として、現金や商品券の給付を打ち出してきました。

バブル崩壊後の1999年には、15歳以下の子どもらに1人2万円分の地域振興券を発行。

また、リーマン・ショックで景気が低迷した2009年には、1人あたり1万2000円の定額給付金を支給しました。

そして、2020年には、新型コロナの感染拡大を受けて、すべての国民に一律10万円を給付したのは、記憶に新しいところです。

「現金5万円」や「消費減税」など、ここにきて噴き出す、さまざまな「案」。

北海道民の目には、どのように映っているのでしょうか。

10代
「ゲームとかに使っちゃう」

30代
「一時的より給付金より減税のほうが楽になるせめて(消費税)5パーセントとか」

50代
「あまりうれしくない(給付金より)給料が上がってくれるとらうれしい」

70代
「ただ(給付金は)問題は後々つけが回ってきて、子どもの代にそれは大変ですよね。大阪・関西万博もあったが国民が夢を持てるもの、まとまれるものをそういうことを打ち上げていただければ」

元通産官僚で、政局に詳しい宮本教授は今回の案を、もともと準備していた「景気対策」としながらも支持率回復にはつながらないと話します。

元通産官僚 北海道文教大学 宮本融 教授
「国民は割と冷静で、ありがとうございましたという感じではなくて、その前にやることがいろいろあるだろうと。銀行残高から順次使っていったら、そんなもんあったっけというのは、あの10万円ですら、多くのサラリーマンはもらったっけ?ってなってると思うんです。だから票に結びつかないバラマキ。あまりムダなことはしない方がいいのではないかなという感じはする」

現金給付や減税に踏み切った過去の政権は、その後、経済効果が疑問視され、バラマキ批判を浴びました。

さて、この先、政権の支持率回復に、つながるのでしょうか?



こちらに、現時点の各党の物価高対策の案をまとめました。

自民党の一部は、現金3万円から5万円の給付。

公明党は、経済政策の柱が「減税」で、”つなぎ”に現金給付案。

立憲民主党の一部食料品の消費税率を時限的に0パーセント。

国民民主党は、30歳未満の所得税減税。

こうした「案」が、ぞろぞろ出てくる背景には、7月の参議院選挙があります。

支持率が停滞する中で、政権与党は、今後、給付の効果や世論の動向を見極めて、最終判断することになります。

北海道ニュース24