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【北海道警ヤジ排除問題】最高裁が排除された男性と北海道警側の上告それぞれ退ける 女性への賠償認めた札幌高裁の判決確定へ

2024年08月20日(火) 14時41分 更新

札幌駅前で排除される大杉雅栄さん(2019年7月 札幌市)
札幌駅前で排除される大杉雅栄さん(2019年7月 札幌市)

 2019年の参院選で、当時の安倍晋三総理にヤジを飛ばした市民が警察に排除された問題で、最高裁は19日付けで、大杉雅栄さん36歳と北海道の上告をそれぞれ退けました。
桃井希生さん29歳の排除を違法として賠償を認めた札幌高裁の判決が確定することになります。

20日午前10時ごろ、原告側弁護団の元に最高裁から上告を退ける知らせが届きました。

最高裁から届いた上告棄却を知らせる書類(20日午前)
原告側弁護団 小野寺信勝弁護士(20日午前)
「最高裁は事実認定が原則争えなくて、大杉さんに関しては事実認定で負けているところなので厳しい判断は覚悟していたが、あの事実認定がそもそもおかしいところがあるので、最高裁としては、そこに何らかのメスは入れてもらいたかったというのと、この件で、警職法上の排除ができるという認定になってしまったので、今後の選挙の時のヤジであるとか、抗議行動に関する影響が生じないかなという懸念はあります」

この問題は、2019年7月、参院選でJR札幌駅前で演説していた当時の安倍総理に、大杉雅栄さん(36)や桃井希生さん(29)がヤジを飛ばし、北海道警の警察官に排除されたものです。

札幌駅前で排除される大杉雅栄さん(2019年7月 札幌市)
札幌駅前で演説する当時の安倍晋三総理(2019年7月 札幌市)
警察官らの行為が「表現の自由の侵害に当たる」としてあわせて660万円の賠償を北海道に求める訴えを起こし、1審の札幌地裁は北海道警の行為を違法として、北海道にあわせて88万円の賠償を命じました。

しかし2審の札幌高裁は、桃井さんについては、1審と同様に表現の侵害に当たるとして賠償を認めたものの、大杉さんに対してはヤジを飛ばしたことで周りの聴衆と暴行を受ける危険性があったため、避難させたなどとする北海道警側の主張を認めて、訴えを退けました。

2審判決は、桃井さんへの賠償は認めたものの、大杉さんの訴えは退ける(2023年6月 札幌高裁)
桃井希生さん
大杉さんと北海道がそれぞれ上告していましたが、最高裁はいずれも上告を退け、これで2審の判決が確定することになります。

最高裁は大杉さんと北海道の上告退ける
これを受けて、北海道警は「最高裁の今回の決定について、(桃井さんに関して)当方の主張が認められなかったと受け止めている。今後は最高裁の決定を真摯に受け止めて、今後の警護の万全を期したいと考えております」とコメントしています。

北海道警「当方の主張が認められなかったと受け止めている」