「多様性」尊重の札幌市条例案に一部議員から“反対”の声…秋元札幌市長「理想に向けて議論を重ね、プロセスを大事に」
2025年03月11日(火) 16時13分 更新
札幌市はいま、あらゆる違いを尊重するマチにしようという条例の制定を目指しています。11日の市議会では、その案に対し、一部の議員から強い反対の声があがりました。
11日の予算特別委員会。その「声」は条例の制定に不安や懸念を示すものでした。
・陳情者
「共生社会があらゆる課題を解決するとの空想的観念論を法律に準じた条例にして、市民に強制することに強く反対する」
札幌市がいまの議会での制定を目指す『札幌市誰もがつながり合う共生のまちづくり条例』。
年齢や障害、性的指向、国籍などあらゆる違いを尊重する『多様性』に言及した初めての条例です。
ただ一部の市民や議員から「行政が個人の思想に介入してはいけない」「まだ共通理解が図れていない」などの声が上がっています。
・陳情者
「現在の社会の現状を鑑みれば、市民や経営者が不安になるのは至極当然」
条例案への懸念を示す陳情108件のうち6割は札幌市外からでした。
2月の代表質問では…。
・小竹知子市議(自民)
「本条例案を本定例会に上程することに、ためらいや迷いはなかったのか」
・秋元克広札幌市長
「仮にこの条例が否定されるということは、むしろ札幌市は国際性、許容性に反対している都市だということを表明してしまう」
10年で市内に住む外国籍の人の数は約2倍に。
そして千歳市にラピダスの工場ができることをきっかけに外国人材をまちづくりに活かしたい…条例にはそんな狙いもあります。
そして11日の市議会。反対派も含め共生社会を目指す「対話の実践」をどう進めるのかとの質問に、秋元市長は。
・秋元克広札幌市長
「理想にむけて議論を重ね、施策については毎年の予算審議の中で、議会とも議論をして進めていくこういうプロセスを大事にしていく」
議論は深まるのか、条例案の採決は26日です。