ニュース

Official Account

【暖冬の影響】どうなる?北海道の冬のイベント「さっぽろ雪まつり」雪像は細部が崩れるおそれ 各地のイベント担当者困惑 

2025年01月24日(金) 20時29分 更新

 今シーズンは例年よりも雪が少なく、気温が高い傾向の北海道。暖冬の影響が、冬の恒例イベントにも出ています。

堀内大輝アナウンサー
「大通7丁目・HBC広場です。今年の大雪像のテーマは『道庁赤れんが庁舎』、全体の輪郭もだいぶはっきりとしてきましたよね。
シンボルの八角塔の姿も、見えてきています」





1月24日、取材中の午前11時の札幌の気温は0.8℃。

雪が少ない中、恵みの雪にも見えますが、そうでもないようです。

雪像作りを担当 六書堂 藤田開社長
「作り手にとっては、恵みの雪じゃない。寒いほうがいい」

一方で…。

層雲峡観光協会 岩本昌樹さん
「氷瀑(ひょうばく)は雪が必要ないから、氷にとっては雪がないのが一番」

雪が少ない冬。各地のまつりの現状を、もうひとホリします。


■さっぽろ雪まつり(2月4日~12日)
2月4日の開幕に向け、大通7丁目のHBC広場では、中小の雪像の制作もすすんでいます。

堀内大輝アナウンサー
「ここまでの作業の進み具合は?」

雪像づくりを担当 六書堂 藤田開社長
「この1週間、すごく暖かかったので、あまり細かいところまで作ると崩れるので、ちょっと遅らせ気味に。この暖かさは、ちょっと数十年、記憶にない…」

2025年も、18基の雪像づくりを担当する藤田社長。

開催初日に間に合うよう、作業時間などの調整に苦労しています。

しかし、何とか作業できる気温は+2℃まで。

これを超えると、雪像の細部が崩れてしまうそうです。



雪像づくりを担当 六書堂 藤田開社長
「(雪像制作は)自然相手だから。でも世界に発信するイベントだから最後は作り上げるようにやっていくけど、神様にお願いするというか天候しだい」


■20年以上続く…札幌・熊谷宏之さん(80)の“ひとり雪まつり”

さらに、札幌の別な場所では…。

札幌市清田区の熊谷宏之さん(80)は、自宅の庭に雪像を作る“ひとり雪まつり”を続けて、20年以上!

雪像制作20年以上!熊谷宏之さん(80)
「孫がすごい喜ぶ」



2025年も孫のリクエストで、アニメのキャラクターをつくったそうですが…。

雪像制作20年以上!熊谷宏之さん(80)
「ここ1週間ぐらいは気温が高かったので解体した。1週間ぐらいもてばいいかと思ったけど、4~5日ぐらいしかもたなかった。こんなに暖かいのは経験ない」

2月は毎年のように作っている桜の木を制作する予定です。

ただ、気温の上昇が気がかりだといいます。

雪像制作20年以上!熊谷宏之さん(80)
「場合によっては見せる期間を2日とか、極端に言えば1日だけとかになる」




■層雲峡温泉 氷瀑まつり(1月25日から3月9日) 

木下純一郎ディレクター
「現在の気温、氷点下1度、層雲峡温泉氷瀑まつりの会場です」

一方、25日の開幕に向けて、順調に準備が進んでいるのは、上川町の層雲峡温泉で開かれる「氷瀑まつり」です。



層雲峡観光協会 岩本昌樹さん
「日中はかなり暖かくなるけど、朝晩ぐっと冷え込むので、氷という面では適した土地なので、すごくいい感じに出来上がっている」

やぐらを組み、ろ過した石狩川の水を吹き付けて凍らせます。

約3か月がかりで、会場を完成させました。

氷瀑まつりは今年で50回目のメモリアル開催。特に力が入っているのが…。

層雲峡観光協会 岩本昌樹さん
「メイン氷像は城になっていて、1階部分がトンネルになっていて、今回50年にちなんで、50メートルのトンネルを作った」



天井には無数のつららが垂れ下がっていて、まるで鍾乳洞のようです。

重機を操作してダイナミックに会場を作る男性。

1976年の第1回から参加している、和田丈広(わだたけひろ)さんです。

第1回からまつりに参加 和田丈広さん(74)
「こちらは第1回からのポスターが貼ってある。懐かしい」

第1回の氷瀑まつりの映像を見ると…。

真冬の厳しい冷え込みを生かして温泉街を盛り上げようと始まりました。

第1回からまつりに参加 和田丈広さん(74)
「舞台などを全部雪で作って太鼓(をたたく)などのイベントもやっていた。規模は今の10分の1ぐらいだった」

夜になると…幻想的な世界にライトアップ。

美しい会場を維持するためにもある程度の冷え込みが必要ですが、1月の気温は平年より、やや高め。

層雲峡観光協会 岩本昌樹さん
「プラス気温が長い時間続くと、さすがにとけてしまう。プラス気温が何日も続くとか、そういう感じになるとちょっとまずい」

2025年の氷瀑まつりは1月25日から3月9日まで開かれます。


他にも暖冬の影響が出ているイベントがあります。



■北海道千歳市 支笏湖氷濤まつり(2/1~2/24)

雪の日が少なかったため、氷像に水を吹き付ける作業はむしろ順調で、予定通り開催できる見通しです。

ただ、2024年は期間中に気温が上がり、安全確保のために期間途中で中止を余儀なくされました。


■日本一寒いマチ・北海道陸別町 しばれフェスティバル(2/1~2/2)

こちらも予定通り開催します。

ただ、氷のかまくらに1泊する目玉イベント「人間耐寒テスト」の氷のかまくらは、-10℃近くまで下がらないと凍りにくく、苦労している。


■北海道中標津町 なかしべつ冬まつり(2/1~2/2)

雪が少ないため、ジャンボ滑り台を小さくしたり、恒例の雪像コンテストを中止し、アイスリンクを設けて綱引き大会に切り替えるなど対応を迫られています。


札幌管区気象台によりますと、1月末ごろから気温がかなり高くなる可能性があるということです。

雪不足は雪を持ってくることができるそうですが、「気温についてはどうしようもない」と嘆く声も聞かれ、イベントのためには、気温が高くならないよう祈るしかないかもしれません。

北海道ニュース24