“核のごみ”最終処分場の選定で追加説明会…質疑相次ぎ5時間に「将来世代に対する責任を言うなら原発を止めて」NUMO文献調査に疑問の声
2025年03月17日(月) 17時40分 更新
原発から出る高レベル放射性廃棄物、いわゆる『核のごみ』の最終処分場の選定について、3月16日に札幌市で追加の説明会が開かれました。
今回は、初めて面と向かっての質疑応答も行われ、市民らからは疑問の声が相次ぎました。
16日、札幌市で開かれた『原子力発電環境整備機構=NUMO』が主催した説明会。
後志の寿都町と神恵内村で行われていた、「核のごみ」の最終処分場の選定に向けての文献調査の報告が主な内容です。
説明会は2024年11月から各地で開かれていましたが、今回は初めて参加者からの質疑を口頭で受け付け、「NUMO側」がその場で応える方式で行われました。
・参加者
「神恵内村のどこに掘り出した土を置くのでしょうか」
・NUMO担当者
「私はあの…説明した…していない気がします。スミマセン」
・参加者
「(札幌以外でも)口頭による質疑もやるべき。やらないのは地域差別になる」
・NUMO 坂本隆理事
「双方向の対話は必要だと思っている。これから考えなければ」
参加者からは「核のごみ」の処分場について、いろいろな意見も…。
・参加者
「10万年後の責任を負っている。それ(説明会)を100回やっても責任は負えない」
・参加者
「将来世代に対する責任を言うなら、原発を止めて廃棄物を作らないこと」
また、地層の専門家からは処分場の選定の調査自体を疑問視する声も聞かれました。
・北海道教育大学 岡村聡 名誉教授
「寿都の低周波地震は白炭断層がある場所です。「恐れが高い」というところを避けるのが、本来の文献調査の立場ではないか」
・NUMO担当者
「ご意見ありがとうございます。もちろん、それ以降も確認してゆきます」
結局、今回の説明会はのべ34人が質疑を行ったり意見を述べたりして、当初予定していた時間の倍の、約5時間に及びました。
・NUMO理事
「道内の皆さまへの理解活動に終わりはないと改めて感じております」
説明会などが終わったあとは、次の段階にあたる概要調査が控えます。
説明会では概要調査に進むかどうかについて、NUMOは鈴木知事や寿都町長、神恵内村長の3人のうち誰か1人が反対をした場合、「先に進まない」と回答しています。