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あらゆる差別や偏見に『NO』札幌で24回目の“レインボープライド”受け継がれる「自分らしく生きることの当り前さ」

2024年09月16日(月) 17時50分 更新

15日、札幌市で行われたさっぽろレインボープライド。今年で24回目を迎え、性的マイノリティへの差別解消などを訴えてきました。
「あらゆる差別に『NO』を」。初めての開催から受け継がれるその思いの背景を取材しました。

今年のさっぽろレインボープライドには、およそ1000人が参加し、沿道は多くの人たちであふれていました。



1996年開催時
「自分らしく生きることの当たり前さを皆にわかってもらえたら」

これは1996年、初めて札幌市で開催された時の様子です。



鈴木賢さん(64)
「差別の解消とか、この主張ははっきり出している最初から。これは政治的なデモンストレーションなんだと」

美唄市出身で明治大学教授の鈴木賢さんは、自身もゲイの当事者として1994年に東京のパレードに参加、その2年後に札幌市での開催も実現させました。



いまより差別が根強い時代。周囲の警戒感からか沿道には、警察の機動隊も出動しました。

鈴木賢さん
「思いっきりゆっくりやれ警察が言うことを聞く必要はない。とっとと終わらないように、要するに可視化される時間が長い方がいいわけだから」

第1回の報告書では、教育現場や職場などでの差別解消を明確に求めています。当時から性的マイノリティだけでなく障害がある人や女性など社会的に弱い立場におかれがちな人たちも参加の対象にしていました。



レズビアンの当事者で、札幌開催を実現させた1人、工藤久美子さんは当時、仲間から「パレードには参加しない」と告げられることもあったといいます。

工藤久美子さん
「(レズビアンに対する)性的なイメージは昔の方がもっと強かったので」

また、いまよりも女性が家庭に入るのは当たり前とする風潮もあり、すでに結婚・出産をしている仲間にとっては自分の状況を訴えづらい環境だったといいます。

工藤久美子さん
「生活費は夫婦だから夫が出している状況の中で、おうちに帰ったらお母さんにならなきゃいけないし妻にならなきゃいけないという中で、自分のことを考えるのがどれくらいできるのか」

それから28年。パレードは多くの人が見て、参加するようになりました。性的マイノリティだけでなく、あらゆる差別や偏見に「NO」と訴え続ける。



「2、1、バブルリリース」





その思いはまた、来年のパレードへ引き継がれていきます。



・「さっぽろレインボープライド」副実行委員長 満島てる子さん
イベント期間だけでなく、性的マイノリティだけでなく、様々な違いに対する差別というものを考えて行かなければならないし、市民の一人一人が自分事としてそうした問題を考えていくきっかけに「さっぽろレインボープライド」がなっていければなと思います。