通学路の事故は登下校中が6割…カーブ、交通量、無理な横断はないか、事前に一緒に歩いて確認する親子も 新学期・通学路の危険箇所をチェック
2025年04月07日(月) 19時53分 更新
北海道内の小学校では続々と入学式が行われていて、8日は札幌でも新学期が始まります。そんな中、気をつけたいのが、通学路での交通事故です。
真新しいランドセルを背負い、元気に登校したのは、新1年生です。
北見市の市立小学校21校は、7日が入学式で、小泉小学校では警察官らが通学路に立って交通安全を呼びかけました。
・新1年生
「道路にはみ出さないように、気をつけてって言われたことある」
「ひかれたら大変だから、ちゃんと手をあげてやるしかない」
北海道警察によりますと、歩行中の交通事故で死傷した小学生のうち、およそ6割が「登下校中」の事故です。
新学期に気をつけたい、通学路の危険を、もうひとホリします。
◆道内で過去5年間、交通事故で死傷した児童327人
去年までの5年間で、道内で歩行中の交通事故によって死傷した小学生は、あわせて327人。
減少傾向で推移しているものの「魔の7歳」とも呼ばれる小学1.2年生が全体の半分以上を占めています。
◆札幌市は通学路の危険箇所を公表
札幌市では、交通事故を未然に防ぐため、10年前から新年度に通学路の危険箇所を公表しています。
市内すべての小学校を対象に調査を行い、道警や北海道開発局と協力して危険な通学路に標識や信号機を設置するなどの対策を行なっています。
・札幌市教育委員会 学校配置マネジメント担当 日比野篤課長
「保護者も気をつけていただいて、子どもたちにちゃんと通学路を通って、青信号でも左右を確認したうえで横断歩道を渡るときは気をつけてほしい」
◆信号を見やすくするため街路樹の枝を伐採
通学路には、どのような危険が潜んでいるのでしょうか。交通事故のリスク管理に詳しい専門家と札幌市内の通学路を歩いてみました。
・堀内大輝キャスター
「白石区の米里小学校の通学路にやってきました。この辺りは見ていると交通量が多いですね」
・日本損害保険協会北海道支部 大本修嗣さん
「そうですね、見ていると結構大きい車が多い」
「こちらから見ると、この道は左側に緩やかにカーブしている。夏になってくると葉が生い茂ってくると、信号が見えにくいかもしれないですね。もしかすると信号に気がつかないで車が交差点に入ってくる危険性があるかもしれない」
札幌市は、先月、できるだけ信号を見やすくするため、街路樹の枝を伐採しました。
◆通学路を確認する親子
取材の翌日には、通学路を確認する親子連れの姿も…
・父親
「(娘が)これから小学校入学なので、通学路を確認しに。一緒に歩きに来ました。車の通りがここは結構多いので、ちょっと怖いなと思っていたので、しっかり教えておこうかなと」
・新1年生の娘
「(Q、信号を渡る時はどうする?)手を上げて渡った」
右みて、左みて…新1年生、準備万端です。
続いては、厚別区の「新札幌わかば小学校」の通学路です。ここにも危険が潜んでいます。
◆横断歩道も信号機もなく、停止線も消えて…
交通量が多く、交差点には横断歩道も信号機もありません。
・日本損害保険協会北海道支部 大本修嗣さん
「横断歩道とか信号がないので、左から来た子どもは、なんとなく道路を渡ってしまいそうな。停止線があるように感じますが、消えてますね」
・堀内大輝キャスター
「ほとんど消えてしまっていて見えませんね」
・日本損害保険協会北海道支部 大本修嗣さん
「できれば横断歩道、信号のあるところを渡るように指導いただきたいが、それでも子どもは渡ってしまうことがあるので、特に学校の近くを運転するドライバーは、子どもがどういう行動をするか分からないと考えて、減速して注意や安全確認をしながら運転してほしい」
◆通学路での交通事故…登下中が6割
去年までの5年間で、道内で歩行中の小学生が死傷事故に遭った時の状況です。登校中が27.5%、下校中が30.9%で、登下校を合わせると、6割に迫っています。
◆事故の発生場所
去年までの5年間で、横断歩道が「ない」道路の交通事故で死傷した小学生は合わせて122人です。一方、信号機と横断歩道が「両方ある」交差点やその付近でも、101人が死傷しているんです。
◆“飛び出し”など歩行者側の法令違反も
小学生の場合は、歩行者の側が飛び出しや横断違反といった法令違反をしたのが40.1%に上ります。大人も含めた全年齢の倍以上の割合なので、まだまだ交通ルールや注意力が身についていない面もあるかもしれません。
◆信号があっても車が来るおそれ
青信号でもいったん立ち止まって左右を確認し、クルマの停止を確認してから、手をしっかりと上げて横断してください。新学期に楽しく一歩を踏み出してもらうためにも、私たち大人の側も運転の時には、よくよく注意しましょう。