【破産情報】北海道函館市の印刷会社「辻商事」が9日事業を停止、自己破産申請へ 負債額は約7億円か 帝国データバンク
2025年02月18日(火) 09時02分 更新
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帝国データバンクによりますと、北海道函館市の印刷会社「辻商事」が、9日事業を停止し、自己破産申請の準備に入ったことがわかりました。負債額は約7億円とみられていますが、今後変動する可能性があるということです。
辻商事は、1912年、「辻印刷所」として創業した老舗の印刷会社で、函館市と札幌市に工場があり、新聞社や大手印刷業者、広告業者などのチラシやパンフレットを中心に、ポスター、はがきなどのオフセット印刷を手掛けていたほか、函館空港内やJR新函館北斗駅前の複合商業施設内で、「高砂屋」の店舗名で観光土産店の運営も手がけていました。
主力の印刷部門は、多様な受注に対応できる設備や生産体制を敷き、短い納期や小ロット・多品種の印刷物に対応できることを強みとしていました。
また、商業部門は、恵まれた店舗立地に加えて、北海道南部の名産品や北海道内の有名菓子類を取り扱い、国内外の観光客をターゲットにした品揃えに強く、札幌圏での印刷部門が好調に推移した2005年6月期には、年売上高は約17億9500万円を計上していました。
しかし、近年は、主力の印刷部門での需要の落ち込みに加え、大口の取引がなくなるなど売り上げの落ち込みを余儀なくなされ、2024年6月期の年売上高は約8億7200万円に減少。
紙代やインク代など材料費の上昇から赤字決算になるなど、財務内容も債務超過の状況が続き、厳しい経営を強いられていました。
こうしたなか、今期に入っても業況に回復が見られず、先行きの見通しがたたなくなったことから、事業継続を断念したということです。
負債は約7億円とみられていますが、今後変動する可能性があるということです。