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「若さは考えなかった」当時19歳の女に懲役23年の実刑判決【旭川女子高校生転落殺人】裁判員が明かした『特定少年』への“判断”

2025年03月07日(金) 17時32分 更新

北海道旭川市で女子高校生(当時17)を橋から転落させ殺害した罪に問われている当時19歳の女(20)の裁判員裁判で、7日、旭川地裁は女に懲役23年の実刑判決を言い渡しました。

当時19歳の女は去年4月、内田梨瑚被告(22)と共謀して女子高校生を車で連れ去り、旭川市郊外の橋の上から「落ちろ」「死ねや」と言うなどしてから川に転落させて殺害した罪などに問われていました。

内田梨瑚被告(22)
検察は「犯行は極めて残虐かつ悪質で、責任は内田被告と大きく異なるものではない」「最期まで苦痛を与える方法で極めて残虐で悪質」として懲役25年を求刑。

旭川地裁(7日)
一方の弁護側は「立場は従属的で更生可能性も高い」として懲役15年が妥当と訴えていましたが、旭川地裁の小笠原義泰裁判長は、女に懲役23年の実刑判決を言い渡しました。

判決を聞く女(法廷スケッチ)
検察が18歳と19歳の被告を「特定少年」として氏名を公表した、北海道で初めての裁判員裁判。

争点となっていたのは『量刑』でした。

判決を終えた裁判員が記者会見し、『特定少年』裁判としての判断の難しさを振り返りました。

判決後に記者会見する裁判員を務めた男性
・裁判員を務めた男性
「今までに例のない事件だと感じた。元々インターネットなどで情報は持っていたが、法廷で証言などを聞いて、被害者が残酷な目にあって亡くなった大変な事件だと感じた。裁判が終わって判決までいたが、今でも非常に心の中に重くのしかかっている」
「裁判員として量刑を決める際、被害者の立場、被告の立場、世間の感情を考えると、その中で判断するのは重かった」
「(被告の)年齢は若かったが、今回の犯罪の重大さに関して言えば、若さは考えなかった。犯行現場の状況がわかる画像が残っていたので、ショッキングな内容だった」
「特定少年というのは、やってしまった内容から関係ないと思った。被害者の母親の言葉で『保護者に目を向けないといけない』(と述べていた)。子供を持つ親としての責任もあるのではないか」

判決を聞く女(法廷スケッチ)
また、別の裁判員たちからも『特定少年』への量刑を考えるうえで、葛藤があったと話しました。

「被告人が犯行の状況を述べて発覚したところもある。どういう気持ち、どういう心情か、表情や立ち姿から汲み取れるものは汲み取ろうと思った」
「反省とか、どう思っているかはわからないが、公平・中立というのが難しかった」
「19歳の犯行だが、犯した罪を考えると成人と同じ扱いで裁くというか、罪に対しての評価が大事。一方、自分が19歳だったころを考えると、大人としての未熟さはあった。最終的な判断は難しかった」

懲役23年の実刑判決が言い渡された当時19歳の女。弁護人によりますと、控訴しないということです。

北海道ニュース24