スキー場施設の老朽化に着目、リフトやゴンドラなどの“更新時期”を狙う中国企業…欧州製より輸送コスト割安で納期短縮、北海道の企業と代理店契約締結
2025年02月20日(木) 19時53分 更新
海外の人にも大人気の北海道内のスキー場。実は各地で「設備の更新時期」を迎えています。
このビジネスチャンスを逃すまいと攻勢をかける外国企業があります。
札幌市で開かれた記者会見でかたい握手を交わすのは、中国でリフトやゴンドラなどを製造する国営企業と、深川に本社を置きスポーツ事業を手がけるヒロノです。
・北起院(中国国営企業)の社長
「日本のスキー場は世界のスキーヤーたちが憧れるパウダースノーがあり『スキー天国』だと思います」
この国営企業は、冬の北京オリンピックを機に中国最大手に急成長、ヨーロッパや東南アジア、アフリカにも進出して世界シェアを伸ばしています。
一方、創業70年を迎える老舗のヒロノは、その北京オリンピック以降、現地を何度も訪れ今回の代理店契約にこぎつけました。
・三國谷浩司記者
「今回、代理店契約を交わした製品の中には、リフトやゴンドラだけではなく、人工降雪機やスノーモービルも含まれているということです」
スキー場にまつわるあらゆる設備を作れることを武器に、売り込みをかける中国企業。背景にあるのがスキー場の老朽化です。
ニセコでは、国内で最も古かった4人乗りの高速リフトが、今シーズンからヨーロッパ製にリニューアル。
各地で施設の更新時期を迎えるなか、課題となるのは資金です。
これまで主流となっているヨーロッパ製のリフトは、輸送コストがかかってどうしても割高に。
そこに目を付けたのが、この中国企業です。
技術力が向上しているうえ中国で製造すれば納期が早く、価格も抑えられるといいます。
・ヒロノ 安田光則社長
「リフト・ゴンドラにかかわらず、もう1回、行きたくなるようなスキー場を、小さいながらでもわれわれは提案しようと思います」
今後は、国交省に設備の検査申請などを行い、審査などが順調に進めば早ければ、再来年ごろから建設を始められるということです。