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“核のごみ”文献調査の結果、第2段階の概要調査可能 寿都町と神恵内村のトップ「議論の輪が全国へ」「関心の高まりを期待」鈴木知事「現時点で反対」

2024年11月22日(金) 21時40分 更新

いわゆる「核のごみ」の最終処分場を選ぶ調査がひとつの節目を迎えました。

11月22日、NUMO(原子力発電環境整備機構)の山口彰理事長らが、後志の寿都町と神恵内村を訪問し、第一段階となる文献調査の報告書を提出しました。



報告書は、第2段階の概要調査に進むことが可能だと結論付け、寿都町の全域と神恵内村の南端、沿岸部の海底の地下を調査の候補地としています。





寿都町の片岡春雄町長と神恵内村の高橋昌幸村長はそれぞれコメントを発表しました。

寿都町 片岡春雄 町長
「地層処分事業をめぐる議論の輪が全国に広がることを期待しています」

神恵内村 高橋昌幸 村長
「多くの皆様が自分事として捉えていただく事で、関心が高まることを期待しております」



概要調査に進むのか、2町村の判断が焦点となる中、11月15日に寿都町で開かれたシンポジウムでは、専門家から「寿都町の大半は処分場には不適切だ」という反対の意見が。



北海道教育大学 岡村聡 名誉教授
「日本列島は(地震や地殻変動)が、乏しいどころではなくて、段違いに激しい場所だと言わなくてはいけない」

一方、科学技術が進歩し、処分場の場所を選定することは可能だという肯定的な声も上がりました。



日本大学 竹内 真司教授
「確実に、ここは大丈夫と言い切ることはできないけれど、よりベターな場所を見つけるということはできると思う」

いまだ賛否が割れる中、片岡町長の考えは…

寿都町 片岡春雄 町長
「寿都の場合は住民投票で答えを出す、その答えに私は従う、というのが私の考え」

概要調査には、町村長に加えて知事の同意も必要ですが、報告書を受け取った鈴木知事はあらためて反対の考えを示しました。



鈴木直道 北海道知事
「仮に概要調査に移行する場合は、道内に処分場を受け入れる意思がないという考えに立ち、制定された道の条例の趣旨を踏まえて、現時点で反対の意見を述べる考えに変わりはない」

NUMOは2025年2月にかけて、道内の16市町村で報告書に関する説明会を開き、住民の理解を求める考えです。

これで第1段階の文献調査が終わりました。今後は第2段階の概要調査に進むのか、地元のトップと知事の判断が問われることになります。

概要調査に進むのか、寿都町の片岡町長は「住民投票で是非を問う」との考えを示していて、神恵内村の高橋村長は「住民投票はひとつの方法」と検討中との立場です。

一方、鈴木知事は、「現時点では反対」と明言していて今後の議論が注目されます。

北海道ニュース24