相次ぐマナー違反で駐車禁止になった『クリスマスの木』周辺 丘のマチのオーバーツーリズムはどうなった?規制だけではない地元の取り組みも 北海道美瑛町
2025年02月17日(月) 18時30分 更新
オーバーツーリズムを理由に今年1月、周辺の一部の道路を駐車禁止にした北海道美瑛町の観光名所。
効果はあったのでしょうか。その後を取材しました。
警備員
「バスが入る!GO GO GO!」「OK!サンキュー!カムサハムニダ」
真っ白な雪原に佇む1本の木。美瑛町の観光名所『クリスマスツリーの木』です。
16日も、インバウンドを中心に多くの観光客が訪れ、幻想的な情景を楽しんでいました。
これまでは、レンタカーの路上駐車や農地への無断立ち入りなど、観光客によるマナー違反が相次ぎ、地域住民の生活にも影響が出ていました。
この状況を受け、1月30日から警備員が配置され、周辺の一部の道路が駐車禁止になっていました。
谷本洋記者
「駐車禁止のエリアには車は1台も停まっておらず、観光客の姿だけですが、禁止エリアの外を見ますと、路上駐車の車がずらりと並んでいる状態です」
16日訪れてみると、駐車禁止規制エリアに、駐車する車は見当たりませんでした。
韓国からの観光ガイド
「一般の人たちが経営している畑なので、絶対に写真を撮るために入らないように、一生懸命に説明してから来ます」
美瑛の丘を愛する会 齋藤孝博さん
「スノーフィールド、バツ!」
観光客に声をかけている人物は、写真家で『美瑛の丘を愛する会』の代表、齋藤孝博さんです。
1月、オーバーツーリズムの解消を目的に、地元の有志らで『美瑛の丘を愛する会』を発足。
農地への侵入禁止などを呼びかける4か国語に対応したフォトカードを配布しています。
美瑛の丘を愛する会 齋藤孝博さん
「初めて来る人には(ここは畑と)わからない、教えていかないと。納得して「OK、OK」とちゃんと返事をしてくれる」
しかし美瑛町には、いまはもう見ることができない景色があります。
人気の観光名所『セブンスターの木』の隣にあり、丘の上に整然と並ぶ景観が人気のシラカバ並木です。
オーバーツーリズムによるマナー違反を理由に、住民らは1月、40本あまりのシラカバを伐採しました。
16日、その場所を訪ねてみると…。
谷本洋記者
「先月、白樺並木が伐採さされたセブンスターの木の周辺ですが、観光客は誰もいません」
美しい景観と引き換えに、かつての日常を取り戻していました。
美瑛の丘を愛する会 齋藤孝博さん
「丘の景観は、先人の方々の努力と労苦と、いまの農家が作ったものだから、そう思いながら見てほしいと思う」
観光客の受け入れと、地域住民の生活を両立させるための模索が続いています。
世永聖奈アナウンサー)
美瑛町などによりますと『クリスマスツリーの木』周辺の駐車規制は、2月21日で終了し、いつまで警備員を配置するかについては、検討中とのことです。
堀啓知キャスター)
観光客に注意喚起のフォトカードを配っていた『美瑛の丘を愛する会』の齋藤さんは、活動に協力してくれる人を募っているということです。