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“住民が被弾するおそれない”など要件満たせば住宅街で発砲可能に…変わるクマ対策 専門家「評価できる変更」道内で相次ぐ“熊嵐”21年札幌・東区で4人負傷

2025年04月04日(金) 16時07分 更新

春になり、クマの動きが活発になっています。

・投稿者(3月29日・北海道幌加内町)
「このまま行っちゃうの?あっまずい、まずい」



きのうも…。



馬場佑里香(4日午後2時・美唄市茶志内)
「ハンターの男性は、山の奥に1人でいたところをクマに襲われたということです」

男性は、クマに襲われ顔と左腕に大けがをしました。

そして、今年度はクマと人との距離感が変わる年でもあります。



政府は、市街地での猟銃の使用を禁止する現在の鳥獣保護管理法を改め、条件を満たせば、市町村長の判断で発砲を認める改正案を閣議決定。

改正法は、人身被害が増える秋までに施行されます。



・酪農学園大学・佐藤喜和教授
「警察官職務執行法(現場の警察官の命令)によらず発砲の判断ができる点では、これまでも安全に発砲できたのに使えなかった場所で可能になる。そういう意味では評価できる変更だと思っている」

法律改正のきっかけは、道内で起きたクマと人との出来事です。



▼2018年島牧村
幾島奈央記者「住宅地の裏の柵に沿って、クマが歩いています」
地元のハンター「先が見えないのが厳しい」

▼2019年帯広市
視聴者提供「川のほうに行った」

2018年の島牧村、2019年の帯広市では住宅街にクマが現れました。



しかし、ハンター自らの判断では発砲できず、現場の警察官が別の法律に基づいて、ハンターに発砲を命令するなどしたため、駆除までに相当の時間がかかりました。

そして札幌市でも…。

・馬場佑里香記者(4日午前 札幌市東区)
「クマが出没した現場付近に来ています。近くに山はなく、閑静な住宅街が広がっていることがわかります」

▼2021年札幌市東区
「お母さん、逃げて。いた、いたクマ。逃げて」

2021年6月、札幌市東区の住宅街にクマが出没。4人が襲われ、けがをした事故に大きな衝撃が広がりました。

・60代男性
「知り合いの駐車場の隣の人がクマに襲われたって聞いた。お互い生き物だから、仲良くできればいいけど、そうはいかないので、街には来て欲しくないよね」

・30代女性
「怖いですし、商業施設にも出たというのを聞いて恐ろしいですね。ハンターさんとの連携がうまくいかないという報道を見たことがあるので、もうちょっと地域、自治体ごとにしたらいいのにと思っている」

昨年度、札幌市に寄せられたクマの出没情報は99件。



改正法が制定されると、クマが人の生活圏に侵入、住民に弾丸が当たるおそれがないなど、4つの要件を満たせば市町村長の判断でハンターに発砲を委託できます。

一方、専門家は、市街地での発砲は高度な判断が求められ、市町村とハンター、住民の連携が不可欠と指摘します。

・酪農学園大学・佐藤喜和教授
「本当のマチの中に入ってきてしまったときに、その判断を下せるのかどうかというところ。クマが街中に入ったときの訓練も、やってみることで、それぞれの役割や課題がみえて、いざというときに備えられる」



改正法が施行される秋からは住宅街での発砲が可能になることで、クマとの距離感は今年度、新たな段階を迎えることになります。

4日も、初山別村やせたな町でクマの目撃情報があり、今年も活動期が始まりました。

北海道ニュース24