熱々の“おでん”にも物価高の影響が押し寄せる 人気の大根、玉子、ちくわも価格上昇…さらに出汁まで?冬に恋しくなる定番も今や贅沢な味に
2025年01月23日(木) 18時45分 更新
冬の寒い日に食べたくなる物といえば“おでん”を思い浮かべる方が多いかもしれません。そんな庶民の味が、いま…贅沢な味に変わりつつあります。
ホッとする出汁と、たくさんの具が決め手の“おでん”。マチで尋ねてみると…。
女性「おでん大好きです。ダイコンですかね」
男性「たまご、一番好き」
女性「ゴボウが入った練り物が好きです」
時崎愛悠記者
「寒い冬に欠かせないのが熱々のおでんです。では、ダイコンいただきます。お出汁がすごい染みていて、体に染みわたります。美味しいです」
いわば国民食の“おでん”にもいま、価格上昇の波が押し寄せています。札幌すすきのにある、おでん店を覗いてみると…。
おでん さんかくまるしかく 敦賀冨美男店主
「(価格上昇の実感は)ダイコンとキャベツ。ロールキャベツを入れているが、1玉600円~900円の恐ろしい値段になっている。ロールキャベツはちょっとお休みしています」
人気の“おでん種”を総務省の消費者物価指数でみると、具に欠かせない大根は、5年前に比べて、43.5パーセントも上がっています。
原因は温暖化。生育時期の8月から12月の気温が高く、雨も少ないために、思うように生育が進まないのです。
また“ちくわ”と“たまご”の上昇率は26.2パーセント。“こんにゃく”は7.4パーセント。“昆布”は13.7パーセントと、軒並み上がっていますが、おでんが値上がりする原因は、それだけではありません。
おでん さんかくまるしかく 敦賀冨美男店主
「今、かつお節がすごく高くなっている。1.5倍ですね」
背景には、資源価格の上昇や円安、物流費や人件費の高騰など、さまざまな要因が重なり合っている現実があります。
おでん さんかくまるしかく 敦賀冨美男店主
「全部が少しずつ上がっているのはしょうがない」
(Q.値段が上がっても、おでんを食べますか?)
「やっぱり食べるかな、日本人なので」
寒い季節の庶民の味に、いま、インフレの冷たい風が吹きつけています。