【どうなる?米の店頭価格】政府備蓄米の入札開始…価格の安定化を目指すも、専門家「不足量はまだまだ、今後も高い価格水準続く」
2025年03月10日(月) 17時13分 更新
コメの価格高騰が続くなか、農林水産省は10日、備蓄米の放出に向けた入札を開始しました。今後、コメの価格は落ち着くのでしょうか。
髙橋智也記者
「スーパーの米売り場です。きょうから備蓄米の入札が始まり、その価格の動向に注目が集まっています」
札幌市手稲区のスーパーです。
10日時点のコメの販売価格は、5キロで3500円程度。
例年に比べ、1000円近く値上がりしている銘柄もあると言います。
全国のスーパーで、2月23日までに販売されたコメ5キロあたりの平均価格は3939円。
去年の同じ時期に比べて、2倍近くになっています。
キテネ食品館 宍戸聡店長
「わりとお米って銘柄にこだわって食べている人も多いが、少し値段が安いものでもこの際いいかと、安いものから順番に売れているような気がします」
私たちの食卓に欠かせないコメ。
消費者の戸惑いは募るばかりです。
買い物客
「米が足りないなんて信じられないよね」
「3食お米じゃなくて、麺類を入れたり、農家が頑張れるような政策を」
政府はコメの価格高騰を受け、10日から12日まで備蓄米の放出に向けた入札を開始。
JA全農といった大手集荷業者が2回の入札を行い、市場に流通していきます。
その量は、約21万トン。
市場への供給量を増やすことで、価格の安定化を目指します。
ただ、専門家は、効果を実感するには時間がかかると指摘します。
宮城大学 大泉一貫名誉教授
「本当に即効性を狙うのであれば、スーパーや外食産業、あるいは卸業者までさかのぼってもいいと思うが、消費者のところに届くまではまだまだ時間がかかる」
その上で、今後の価格については…。
宮城大学 大泉一貫名誉教授
「不足量はまだまだ多いんだろうと思う。残念ながら今後もこの高い米の価格水準が続くのでは」
備蓄米は来週にも業者に引き渡される予定で、店頭に並ぶのは早くて今月下旬になる見通しです。