やさしく伝える 防災コラム

地震・津波

東日本大震災から10年~防災小説

今日ドキッ!

シリーズでお伝えしている東日本大震災から10年です。今回は、災害時の自分が主人公の物語を想像して書く「防災小説」の取り組みです。

「平和な日常が突然、変貌し、悪夢へと変わった」(男子生徒)
「家族のことが心配になった。電話をかけてみるがつながらない」(女子生徒)

これは、釧路沖の大地震で津波が発生した想定で中学生が自分を主人公にして想像して書いた「防災小説」の一節です。

「防災小説」は防災を自分の事としてとらえ災害時のことを具体的にイメージすることでいざという時の行動に結び付けようという取り組みです。道内では、去年10月に釧路の大楽毛中学校で初めて導入されました。

北海道教育大学釧路校・境智洋教授(教育学)
「防災小説はやはり想像力、防災には想像力の育成が大事になってきます。」
「津波に関しては、釧路は過去に大きな被災の経験がない。子どもたちが学んでいって津波が来たらどうしたらいいのか考えるようになっていかなければならない」

防災小説では、まず、地震の発生した日時と天気を設定します。そして、守るルールはただひとつ自分は絶対に生きのび、パッピーエンドを迎えることです。

実際に大楽毛中学校2年の高橋由奈さんが書いた「防災小説」の一節


10月23日の夕方自宅でひとりで留守番中に被災しました。そして、避難先の学校に向かう途中のことでした。

高橋さん「自分の隣の家に住んでいるいつも笑顔で優しいおばあちゃんが頭に浮かんだ。戻ってはいけないとわかっていても体が勝手に動いて家の方へ戻っていた」

「おばあちゃんを置いていくことができない私は、逃げることをあきらめた。すると「大丈夫か。頑張って避難しよう」と近くに住む男子高校生が逃げる途中に手を貸してくれた。そして、私たち3人は学校の屋上へと急ぎ足で向かった」


高橋さんはまだ避難を経験したことがないが、防災小説を書いたことで避難ルートで新たな気づきも見つかりました。「ちょっと離れたところですが、釧路空港は山の方にあるので、車で行くとするとこの辺は渋滞になることも考えられる」

高橋さんの小説は、大災害の際、1人でも多くの命が救われるためには地域の人たちで助け合うことが大切だと力強く結ばれています。

「地震が起きて避難する時、自分の命を最優先というが、自分の命と同じくらい大切な人がいる。だから自分の命は自分で守り、助け合いながら避難したい」と高橋さんは話していました。

※掲載した情報やプロフィールは更新日時点のものです。

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